糖尿病と皮膚

  糖尿病は皮膚にもさまざまな症状を引き起こします。糖尿病になると細菌や真菌(カビ)に対する抵抗力が弱くなり、皮膚にもさまざまな感染症を伴うようになります。足白癬(みずむし)はその代表です。また、皮膚にかゆみを伴うことも多くそれらの症状で皮膚科を受診される方も多くおられます。ここでは、これらのよく知られている皮膚症状とは異なりますが、一度かかると治療に苦労する糖尿病に特徴的な皮膚症状を紹介します。このような症状が出現する前に糖尿病の予防や管理を医師のもとにうけられるよう希望します。


1  糖尿病性浮腫性硬化症

 項部や肩などに硬い皮膚の硬化が出現します。こぶのようになることもありますが境界は不明瞭です。肩こりなどの症状を伴うこともありますが、特に自覚症状がない場合も多いです。酸性ムコ多糖類というものが皮膚の下に沈着するためにこのような症状が起きます。まれに糖尿病が発生する前からこのような症状がでることもあります。写真1

2 糖尿病性壊疽

 糖尿病の血管病変から生じる代表的な皮膚病変ですが、しばしば感染を伴いさらに病変が拡大していきます。壊死に陥った組織は除去しなければなりませんが、足趾にだけ壊疽がみられても血行障害はかなり中枢側から生じていることも多く、かなり広範囲に除去する必要があります。写真2

3 糖尿病性水疱

 下腿から足にかけてみられる水疱で、非常に細い血管の病変によって起こると考えられており、太い動脈には病変がみられないこともあります。熱傷様の水疱で短期間で問題なく治癒することもありますが、病変が深いと難治性の皮膚潰瘍となることもあります。写真3

4 糖尿病性神経障害性関節症

 神経障害を基礎にして、無痛性の関節の変形、破壊をおこした状態です。脊椎の病気やかつてのハンセン病などのように知覚障害を起こす病気にみられますが、最近は糖尿病の増加に伴い、糖尿病の方にもみられるようになってきました。初期には足が赤く腫れたり、痛みを伴ったりしますが、やがて足の変形が起こります。さらに進行すると足底の皮膚に潰瘍が生じ非常に治りにくく、下腿で切断しなければならないこともあります。糖尿病で神経障害のある方は、ときどき足の診察も受けるようにしてください。写真4

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