褥瘡の保存的治療
 褥瘡の保存的治療には下に示すように全身療法と局所療法に分かれます。
 このうちの局所療法について簡単に説明します。

 全身療法
  全身状態の改善
  抗生剤の全身投与
  血管拡張剤等の全身投与
 局所療法
  除圧(減圧)
    体位変換(2時間ごと)
    エアーマット(圧ポイント移動式)
    ウォーターベッド
  デブリドマン(壊死物質の除去)
  洗浄
  外用剤

これらの局所療法の中で壊死物質の除去と外用療法について説明しています
壊死物質の除去

  壊死物質の除去には物理的なもの、
  化学的なものと自己融解による場合があります。

  1)物理的デブリドマン
     外科的
     水圧をかけた創面の洗浄
     wet-to-dryドレッシング
     デキストランポリマー粒子
  2)化学的デブリドマン
     酵素製剤の外用 これについては次の外用療法を参考にしてください
  3)自己融解によるデブリドマン
     創傷被覆剤で創面を覆い滲出液に存在する
       酵素により壊死物質が自己消化される
褥瘡の外用療法

 外用療法は次のようなものがあります
 
感染に対するもの 抗菌剤、抗生剤
壊死組織除去を目的とするもの 化学的デブリッドマン
肉芽形成促進を目的とするもの 肉芽形成促進作用のある外用剤
創面被覆剤 ウェットドレッシング
1感染に対するもの
 抗菌剤を含有するもの
    ポビドンヨード白糖製剤(ユーパスタ、ソアナース)
    スルファジアジン銀(ゲーベンクリーム)
    ヨウ素・カデキソマー(カデックス、デクラート)
 抗生剤を含有するもの
    ゲンタマイシン軟膏
    エリスロマイシン軟膏
    フラジオマイシン軟膏
2壊死組織除去を目的とするもの
  1)酵素製剤
      フィブリン、蛋白質、核酸を分解する
      感染には弱い、滲出液の少ない時期に使用
     ・ブロメライン軟膏
       かぶれなどの副作用に注意
       最近はもっぱらブロメライン軟膏を使用しています
     ・バリダーゼ局所用
      バリダーゼ局所用の使用法
        1.生食10〜20・で溶解し、
          ガーゼに湿らせて創面にあてる
         ポリウレタンフィルム(テガダームなど)で
          完全に密閉する(写真)
        2.ワセリンと混合して使用する


  2)吸水性ポリマービーズ
    ヨードをslow deliveryするヨウ素・カデソマー
    (カデックス、デクラート)とヨードを含まない
    デキストランポリマー(デブリサン)があります。

    特徴  滲出液の吸収に優れている、感染にも比較的強い
    欠点  高分子パウダー状でそのままでは使いにくい
        ポリマービーズが痂皮状になり下に
        滲出液が貯留することもあります
    使用法 同量のソルベースと混合して軟膏状にする
        古いビーズが残存しないように十分に洗浄する
        深いポケット形成のある褥瘡では使用しない
3肉芽形成促進を目的とするもの
  感染には弱い
  オルセノン軟膏(VA+VE、毛細血管拡張、増生)
  アクトシン軟膏(表皮細胞の増殖促進)
  ソルコセリル軟膏(幼牛血液抽出物含有)
  プロスタンディン軟膏(PGE1)
  フィブラストスプレー
4創面被覆剤
 主として肉芽形成期および再上皮化期に
 創を密閉し湿潤環境にすることにより
 線維芽細胞の増殖や表皮細胞の遊走を促します
 欠点は感染には弱いことです
 一定の条件を満たした場合に使用します

 ハイドロコロイドドレッシング材
  親水性コロイド粒子が滲出液を吸収しゲル化する
  デュ オアクティブ、コムフィール
  コムフィールペスト、バリケアパウダー(充填)
  クリアサイト(ハイドロゲル、透明)

 アルギン酸塩被覆剤
  吸水能に優れ、Naイオンを含む液を吸収するとゲル化
  ソーブサン、カルトスッタト

 ポリウレタンフィルムドレッシング材
  バイオクルーシブ、テガダーム、デガソーブ
  主として浅い、びらん程度のものに使用されているようですが、
 
 生体成分を用いた被覆剤
  ベスキチン、アロアスク、メイパック
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