| 1消毒液 傷に消毒というのは最近では「非常識」とまで言われるようになってきました。確かに消毒液には次のような問題点がありますが、褥瘡に限らず消毒液の使用に関しては医師の裁量にゆだねればいいのではないかと思います。 1)非選択的毒性を有する 細菌に障害を与えるが、同時に正常組織にも障害を与える 創傷治癒を阻害する このようなことから米国保健省の褥瘡治療ガイドラインでは使用を禁止している 具体的によく使用されるポピドンヨード(イソジン)でみてみましょう。
このようにポピドンヨードは10%の濃度がなければ十分な殺菌力がないのに対して、かなり低濃度でも組織障害を起こしうることがおわかりいただけると思います。 2)生体には異物である 褥瘡ではバリアとしての表皮角層が欠損しているため 消毒液は直接、生体と接し抗原となりえ アレルギー反応を起こしやすいと考えられます それでは具体的に創面の洗浄はどのようにすればいいのでしょうか。 創面の洗浄は創面から壊死組織、滲出液、代謝物質などを除去し、 創傷治癒を促進させることが目的です。 そのため次のようなことをこころがけて行えばいいかと考えています。 物理的、化学的な組織の損傷を最小限にとどめる 創床に障害が生じない程度の洗浄圧 洗浄には原則として水道水や生理食塩水を用いる ただし、消毒剤を用いた場合は水道水や生理食塩水で洗い流す |
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2抗生剤 細菌が検出されたら抗生剤を投与? これも褥瘡の場合にはあてはまりません とくに最近はMRSAが検出されることが多く、 むやみに抗生剤を投与することは慎まなければなりません 起因菌の同定法について 培養は潰瘍面でなく、その下の組織を採取して行う必要があります そのため綿棒培養は行わないません 綿棒培養は表面の細菌だけを検出して 起因菌を同定していないことがあるからです それにかわり潰瘍生検による組織培養や 針吸引によって組織液を採取する方法をおすすめします では抗生剤投与はどのような時に行えばいいのでしょうか 疼痛、発熱、白血球増多、褥瘡周囲皮膚発赤などがみられる (病原性菌が組織1g当り105以上) 急性期に限られ、この時期をすぎれば 菌が存在しても抗生剤は投与する必要はないと思います |
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| 3ウエットドレッシング 肉芽形成期(紅色期)になればウエットドレッシングをすることは理想ですが、特に便などで汚染されやすく、摩擦やずれの生じやすい仙骨部では慎重に行う必要があると考えています。 ウエットドレッシングの条件 ・細菌数が少ない ・壊死物質がほとんどない ・全身状態がよい(食事を摂取できる) ・十分減圧できている(頻回に体位変換可、エアーマット) このような条件を満たしている方に行うと、治癒が促進されることが期待できます。 全身状態が悪い場合や糖尿病など免疫の低下した方には適していなと考えています。 |
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4ラップ療法について 傷に消毒液を使用しない 傷は乾かさずウエットな状態で治療する ガーゼ交換による皮膚の剥離などの障害をおこさない 治療費がほとんどかからない など非常に有用な方法かもしてれません 私は行ったことがありませんが、褥瘡にラップ療法を行う時には 壊死物質が多量の場合や感染が著明な場合などには他の方法も検討する必要があります また、ウエットドレッシングと同様に全身状態が悪い場合や糖尿病など免疫の低下した方には適していなと考えています |
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