皮膚癌

 癌というととてもこわい病気のように思われますが、皮膚癌は早期に治療すれば決してこわい病気ではありません。しかしながら、人口の高齢化や環境の変化の伴い皮膚癌は徐々に増加にており、すべての癌のうちで皮膚癌が最も発生率が高い国(白人の場合)もあります。恐れる必要はありませんが、気になるようなことがあれば皮膚科を受診してください。
  基底細胞癌      ボーエン病      有棘細胞癌     悪性黒色腫

注意すべき点

1 足底部のほくろ

 足の裏のほくろはこわいとよくいわれます。悪性黒色腫には表在拡大型、悪性黒子型、末端黒子型、結節型などの病型がありますが、それぞれの発生頻度は人種により異なります。日本人では30%以上が足底にできる末端黒子型です。なぜ、体表面積の数%にすぎない足底の悪性黒色腫が集中してできるのかよくわかっていません。白人の末端黒子型の発生頻度は3%ぐらいですので、いまのところ人種による差という以外にありません。いずれにしても我々日本人は足底に悪性黒色腫はよく発生するため、足の裏のほくろはこわいといわれるようになったのだと思います。最近はまずダーモスコピーという装置を使って検査をするようになっています。

2 陰部の湿疹様病変

 陰部にはよく湿疹や真菌(カビ)あるいは細菌感染による皮膚病がよくみられます。しかしまれにページェット病といわれる皮膚癌が発生し、その症状も湿疹様病変であるためみただけでは診断ができないこともあります。陰部から肛門にかけての湿疹様病変が治らず拡大してくるようであれば、皮膚科を受診してください。

前癌状態

 代表的なものは日光角化症(老人性角化症)です。これは長年にわたる日光照射と関連して生じると考えられています。したがて、露光部(顔面、頭部、手)に好発します。写真は指に生じた日光角化症です。紅色から褐色で、周囲の皮膚からあまり隆起しませんが、角化傾向の強いものは角のようになります。大きさは1cmくらいまでのものが多いです。放置していると2割前後が癌化すると言われており、有棘細胞癌になります。

皮膚生検

 皮膚科医であれば上皮性の腫瘍(皮膚の表面にできる腫瘍)の診断は見ただけである程度できます。しかしながら、同じ腫瘍でもさまざまな臨床形態をとることがあり、視診だけでは限界があります。疑わしい場合は腫瘍の一部もしくは全部を切除して病理組織学的に診断をつける必要があります。その結果に基づいて、皮膚癌であれば拡大切除やその他の治療法を選択していきます
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